【漢字】レールを敷く 【読み】れーるをしく 【意味】物事が順調に進むようにあらかじめ準備をしておく。 【例文1】代々医者の家系なので親の敷いたレールを歩むしかないのだ。 【例文2】レールを敷くのも親の役目だ。 【例文3】親の敷いたレールに従うつもりはない。 子どもをもつ親であれば、子どもの人生に責任を感じて当たり前です。その結果、レールを敷くことが必要だという結論に達する人も多いです。自分が子どもの時を思い起こしてみると、私の親はレールを敷くタイプであったものの、あまり教養もお金もなかったので、口煩い母親という印象でした。 自分が親になり感じたのは、「レールを敷くなら口だけではなく行動で表す」ことです。子どもが将来に一流大学に入り、一流企業に就職することを親として子育てのゴールだと決めたのならば、「勉強しなさい」と口で言うだけではなく、一緒に勉強をする、教養のある話題を意識的にふる、子どもの本代や塾代をケチらず充分に出すなどの心構えが親にも必要なのだと思います。中途半端な学歴に終わった私が思うのは、親がきちんとレールを敷いてくれて導いてくれたら、私の人生はもっと輝かしかったかもしれないと親のせいにした事もありました。 子どもには、自分の将来について現実的に考えるだけの想像力はないと思って親がレールを敷きたがりますが、最終的に決めるのは子ども自身です。 親はレールを敷くだけではなくサポートも大事です。 「レールを敷く」とは、前もって準備や用意をしておくことで、物事を順調にすすめることをいいます。本来ならば、それなりに前向きな意味合いを持つはずですが、「敷かれたレールの上を歩く人生」など、受け手側の気持ちとして、ネガティブな使われ方をすることも少なくないようです。 そこには、「自分のやりたいようにさせてもらえず、他人の決めた道筋で自分の行動が制限されている」というような意味が含まれているからだと思われます。 たしかに「レールを敷く」となれば、まさに電車が走るように、寄り道のしようのない、まっすぐな一本道をイメージします。電車の意思など関係ありません。 しかし、私は社会人になって20年近くを過ごし、「敷かれたレール」の上を走ったことも、他人のために「レールを敷いた」ような経験もありますが、私個人の感覚ですと「レール」というよりはむしろ「舗装された道路」のような受け止め方の方がしっくりくるような気がします。 道路もレールと同じ様に、行く方向、目的地がはっきりしています。道路をあらかじめ地ならしすることで、後から来た人が走りやすくする作業をします。 レールと違うのは、道路には「道幅」があることです。道路を走る人が、自分が思っているよりまっすぐ走れていなかったり、右往左往してしまったりしても、わりと道幅を広く作っておけば、車線からはみだすことなく、最終的に決まった目的地に導くことができます。 目的地に到着する過程で、レールの上を電車が走るよりは時間もかかり手間取ることもあるかもしれませんが、それらの経験を生かして、前回より今回、今回より次回と、走り方(運転)が上達していければよいと思います。そのうえで、自分に合ったやり方で、しっかりと目的地にたどりつける方法を身につけることが大切なのではないかなと思います。 「敷いたレールの上を電車が走るように」といわれるとなんだか窮屈な感じがしますが、「目的地に向かって迷わず走れるように」と思うと、レールを敷く側も敷かれる側も、仕事のやり方に少し余裕ができるかもしれません。
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