死人に口なし
【漢字】死人に口なし 【読み】しにんにくちなし 【意味】死んだ人から証言を得ることはできない。死んだ人に無実の罪をかぶせるときに多用する。 【例文1】死人に口なしで真実はわからない。 【例文2】容疑者が死んでしまった以上は死人に口なしだ。 【例文3】死人に口なしだと事件の真相を隠す。 テレビドラマや映画などの中で、殺されたり自殺をしてしまった登場人物がいかにも犯人であるかのような事件があります。 そんなドラマや映画には必ずと言っていいほど推理力のある刑事や、弁護士などが登場してきて亡くなった人が犯人として収まるかに見えた事件をくつがえすのです。 古い警察手法で犯人とされてしまった人が死刑にされてしまったり、死刑を待つ間に亡くなったりするケースがあると、本当に気の毒だなと感じます。 作り上げられた罪人にとって、「死人に口なし」と簡単に片付けられることは許せないだろうと思います。 どんな時代になっても自分を守れないような弱者が、悪い強者のための道具として扱われないように、正義がしっかりと機能してほしいと思います。 「死人に口なしとはこのことですよ~」というセリフはお芝居の中のどんでん返しにこそふさわしいのではないでしょうか。 「死人に口なし」とは死んだ者に無実の罪を着せられても証明することはできないたとえで死んでしまったものは証言も意思表示もできないということです。 例文は 「今回の事件での首謀者が亡くなってしまっている。死人に口なしで証拠という証拠も無いので追求する手もなく真相は闇の中になってしまった。」 「あの人は一体何をやりたかったのか、考えたいたのか、亡くなってしまったので聞くことができない。死人に口なし、生前に話を聞いておくべきだった。」 などと言った使い方があります。 私が学生時代にお世話になった先生も昨年病気で亡くなってしまいました。卒業してからもよく連絡がきていたのですが、社会人なりたてと慣れない環境で自分のことにいっぱいいっぱいになってしまい、なかなか連絡が返せずにいました。話したいこともたくさんあったのに亡くなってしまっては死人に口なしで何を話したくて私によく連絡してきていたのか聞くことも伝えることも出来なくなりました。こんなことになるのならしっかり連絡しておけばよかったと思います。 死人に口なしと言うように亡くなってしまってはどうすることも出来ません。ですので後悔のないよう生きている間に聞きたいことも伝えたいこともしっかりやっておくべきだと思います。 わたしは葬式がキライです。好きな人は、あまり居ないと思いますが、雰囲気が苦手です。 葬式って、亡くなった人の悪口合戦みたいな一面もありますよね。死人に口なし。言いたい放題。「亡くなったから教えてあげるけど、あの人は最低な性格だったのよ」なんて言われたことも。 それが嫌でした。なんで、わたしに言うんだろう。わたしにとって、その人は優しくしてくれて大好きな人だったんです。もしかしたら、わたしにだけ優しくしてくれていたのかも知れません。 その人が辛い目に合わされていたのも事実でしょう。だからと言って、わざわざ伝える必要なんかありませんよね。秘密にしておいて欲しかった。 「あの人は酷いヤツだった」なんて言われても、わたしからすれば「あんなに優しい人の悪口を言うなんて、お前こそ最低だ」としか思えません。 遺族の嘘かも知れません。わからない。肝心の本人は亡くなっているのですから。 我慢できないほど嫌なことをされて、つい愚痴をこぼしてしまったのかも知れません。その気持ちは理解できます。でも、フォローのひとつぐらいはしてほしかった。「ワガママな一面もあったけれど、まっすぐな人だったんだよ」と、相手をかばうような一言でもあれば、嫌な思いをせずに済みました。 嫌な事をされて、恨んでしまうのは仕方ない。だけど、亡くなったあとも憎み続けて、関係ない人にまで八つ当たりするのは違いますよね。仲直りは生きているあいだにしないとダメです。
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