歯牙にも掛けない

【漢字】歯牙にも掛けない
【読み】しがにもかけない
【意味】相手の事など気にしない、問題にしない。
【例文1】あのおじさんは常識ない人だから周囲の事なんて歯牙にも掛けない。
【例文2】鈍感なのか無頓着なのか他人を歯牙にも掛けない。
【例文3】人から何て思われようと歯牙にも掛けない。

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「歯牙にも掛けない」の意味と由来

「歯牙にも掛けない」とは日常会話ではあまり使う事はありませんが、日頃からよく読書をする人は見かける言葉ではないでしょうか。その意味は「問題にしないこと。取るに足らないと無視すること」を意味します。「歯牙」とは文字通りですが、これは「口」「口先」「言葉」を意味しています。つまり、意味をもう少し丁寧に見て行くならば「口先で言った言葉をわざわざ取り上げて論じない、論じる価値が無い」ということが出来ます。「そんな根も葉もない噂話なんて歯牙にも掛けない」のように使う事が出来ます。

この言葉の由来は遠く中国の秦の時代までさかのぼります。陳勝という武人が秦に反乱を起こして王位につきました。秦の二世皇帝は家来を集めて陳勝を討つ為に議論を行いましたが、そこで叔孫通という儒者が「陳勝のような小泥棒は歯牙の間におくにも足りぬでしょう」と言います。原文では「此特群盗、鼠窃、狗盗耳、何足置之歯牙間」となります。その言葉を聞いた二世皇帝は討伐を行う事をやめたのです。ここから「歯牙にも掛けない」という言葉が生まれました。何となく知っている言葉も語源まで知っているとちょっとした会話の時に「おっ」と思ってもらえるかもしれません。