尻尾を出す

【漢字】尻尾を出す
【読み】しっぽをだす
【意味】隠し事や悪事がバレる。
【例文1】とうとう尻尾を出しやがったな。
【例文2】良い子ぶっていたが、だんだん尻尾を出してきた。
【例文3】長年の付き合いで尻尾を出し始める。

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尻尾を出し始めた新人の子。

尻尾を出す。私はこういう人を職場で見ます。私より新人で入ってきた、女の子。私より、4年ほど後で入ってきました。年齢ももちろん、若いです。でも、早くに結婚をして子育てそしている女の子でした。それだけにしっかりした子です。その子が入ってきたときはとても好印象でした。仕事はできるし、頭の回転も速い。でも、とても謙虚であって。先輩みんなのこともちゃんと立てることのできる子です。とにかくとても、控えめでした。ちゃんと挨拶もするし、私は印象が良かったのでよく、子どもの話をしたり世間話をしたりして楽しく過ごしていました。
しかし、その子が仲良くなった人がいけなかったのでしょうか。でも、今考えるともともとそういう性格だったのだと思います。だんだんと態度が大きくなりました。上の人とも仲良くなるのが上手だったので、気に入られ、ほかのパートさんが失敗したりすると陰で悪口を言うようになりました。上の人にこっそり意地悪な感じで報告もするようになりました。話しやすかった印象の子でしたが、だんだんと話しかけづらい印象になり、私だけでなく、私の周りの人も話しかけづらい、怖い人となってしまったのです。でも、それはその人が最初はおとなしくしていて、慣れてきたので尻尾を出したのだと思います。尻尾を出して自分の本当の姿が現れたのだなと感じました。今では仕事以外はほとんど話すこともなくなりました。

「尻尾を出す」というか手を出す子ぎつね

「尻尾を出す」とは「隠していたものが見つかる。ぼろが出る。」ことです。「尻尾を出す」と言えば思い出すのは新美南吉の名作「手袋を買いに」です。子ぎつねを育てているお母さんきつね。以前に人間にみつかり追い回された経験があるので、人間を怖がっています。ある雪の日、あまりに子ぎつねの手が冷たいので、手袋を買いに行かせることにしました。お母さんきつねが子ぎつねの手を握っていると、片手だけが人間の手になります。そして、手袋を売っている帽子やさんの場所を教えて戸の隙間から、人間の手になっている方の手を差し入れて手袋を買うようにと教えます。そして子ぎつねだけを行かせますが、案の定間違えてきつねの手の方を差し出してしまいます。帽子やは「先にお金を下さい」といい、お金の白銅貨が本物であるかどうかを確認したうえで、子ぎつねに手袋を渡します。心配していたお母さんきつねは子ぎつねが「反対の手を出してしまったけど捕まらなかったよ」と言うのを聞いて、人間は本当は怖いのか、怖くないのか迷うという終わり方をしています。子ぎつねが出したのは手で尻尾ではないのですが、同じことですよね。お母さんが迷ったままで終わりにするところに新美南吉の優しさが見えかくれします。名作です。