闇から闇に葬る

【漢字】闇から闇に葬る
【読み】やみからやみにほうむる
【意味】世間に知られたくない事を内密に処理する。
【例文1】上から圧力をかけて警察の不祥事を闇から闇に葬る。
【例文2】完全に闇から闇に葬る。
【例文3】金を渡して闇から闇に葬る。

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闇から闇へ葬り去っても悪意はその場に潜み続けます。

普通に考えれば闇に葬るだけで済みそうなものを「闇から闇に葬る」という念入りな表現には、どれだけの悪事を働いたのかと恐ろしくなります。
蛇の道は蛇とか、物事には裏があるのは特に驚くほどのことでもないかもしれませんが、暗黒面のさらの奥底に通じるような不気味さが感じられます。
そして困ったことに特に悪人と認識されていない人間や会社が、己の悪事を闇から闇へと隠してしまうことも実際にあるのです。
分りやすい例としては、建築物の基礎部分なセメントで覆ってしまう鉄筋部分などがそれに当たるでしょう。
余程のことが無い限り、ひとたび完成した構造物を破壊してまで内部を確かめようなどとする人はいません。
怪しいのでデカイ穴を開けて中を調べてみたけれど特に問題はなかったでは無駄な出費を出すだけです。
大抵の場合は特定の場所をサンプルとして調査するのですが、前もってその場所が分っているならばその部分だけ正規の工法で施工するだけです。
かなり昔の話ですが、田舎道を公共事業で舗装する際に砂利の層を薄くして使う砂利の量を誤魔化し、調査する部分だけ砂利の層を厚くした例があるそうです。
闇は存外身近にあるもので、人目につかない隠れた場所には葬り去られた悪意が秘かに眠っているかもしれません。

闇から闇に葬る

誰にも知られる事無く、都合の悪い問題を秘密裏に処理する事で、「世間の目に晒さず、闇から闇に葬る」という具合に使用します。誰一人として知られてはならない事を全くばれずに後始末するなど容易な事では決してないですし、それをやってのける人は相当の実力者であると思われます。もちろん誰かにその現場を見られようものなら、恐らく見てしまった人はお気の毒な運命を辿る事になるでしょう。闇から闇へとはそれ程の世に出せないいわゆる最重要機密である筈ですから。世の中には知ってはならない他人の秘密を、来易く知ろうなどと冗談でも思わない方が身の為な時があるのです。この手の話がどうも空想の世界の出来事に感じる方は、本当はとても幸運な人なのだと思います。実際そんな場面に遭遇する事は少ないと思いますし、実行する人も細心の注意を払った上で行動する筈ですから、余程不運でない限りまず出くわす事はないでしょう。確率で言えば幽霊に遭遇する位稀な事なのです。(いつも見ているという人は別にして)話があまりにも大きくなり過ぎましたが、闇から闇にという問題は庶民レベルでも無い話ではなく、例えば冷蔵庫に入れておいた頂き物のフルーツをうっかり腐らせてしまい、家族の誰にもばれない様に捨ててしまうなんていうのも、まさに闇から闇に葬る事なのです。