青雲の志
【漢字】青雲の志
【読み】せいうんのこころざし
【意味】高い位置につこうとする志。
【例文1】父は会社を拡張するために青雲の志を持ち続けています。
【例文2】息子が父の青雲の志を継いで事業を広げる。
【例文3】諦めなければ青雲の志は叶う。
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「青雲の志」を抱いた者たち
「青雲の志」という言葉は司馬遷の記した「史記」に出てくる言葉です。青雲は青みがかった雲、あお空のことで高く超えた様子を表す言葉であり、「青雲の志」は空の高みを目指す、つまり立身出世をしようとする心、高い位につきたいという願望を抱くことです。「青雲の志」という言葉が一番ぴったりと来る人たちがいます。新選組の局長、近藤勇と鬼の副長、土方歳三です。彼らはもともと武士の生まれではありませんでしたが、農民でありながらも武士になることを夢見て、武芸を習い、学問をして機会を待ちます。土方歳三など少年時代に、武士になった時に使えるようにと弓矢を作るための竹を庭に植えていたといいますから用意周到です。そしてついに時来たりて将軍警護のための浪士募集に応じて京都へ向かいます。憧れの武士になる第一歩と思い、「青雲の志」を胸に江戸を出発していきます。彼らは若く、向こう見ずだったかもしれませんが、純粋に武士になりたいという願いが、彼らを武士道に邁進させていったのです。その背景には厳しい身分制度、「士農工商」や「上士、下士」、「譜代、外様」で名字帯刀の許しから、住む場所すら分かれていたという事情がありました。その時代に立身出世を望むには武士になるしかないと考えたのです。結果として近藤勇は大名の位までに上り詰めます。あの日の「青雲の志」は見事に叶ったのでした。