輪を掛ける

【漢字】輪を掛ける
【読み】わをかける
【意味】その上に。程度を大きくする。
【例文1】弟も才能あるが、兄はさらに輪を掛けて優秀だ。
【例文2】妹も美人だが、さらに輪を掛けて姉も美人だ。
【例文3】昨日よりも輪を掛けて料理が上達した。

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話に「輪を掛ける」織田信長

「輪を掛ける」とは「一層はなはだしい様子にする。話の内容などを誇張する」ということです。今の若者言葉でいえば「話を盛る」といった感じですね。「信長公記」などによると桶狭間の戦いで、織田信長は2万の今川義元軍を2000の兵で打ち破ったかのように書いてあります。これは明らかに話に「輪を掛けて」あるというのが最近の定説です。今川家の人質となっていた松平元康(のちの徳川家康)と今川方の武将・朝比奈泰朝はそれぞれに織田信長方の前線基地である丸根・鷲津砦に攻撃をしかけます。そして両砦は陥落し、今川方は緒戦で勝利を収めます。これを受け、後方の沓掛城で戦況を見守っていた今川義元は本隊を率い、大高城に向けて進軍を開始します。この時の義元直属の兵力は5000ほどで、他の2万の軍勢との連携を欠いた状況で行軍していました。そのうえ、桶狭間の戦いの日は目の先も見通せないほどの豪雨となっていて、今川軍は油断をして戦場なのに休息をとっていました。そこへ、信長が2000の兵で攻め込みました。急襲です。そうなれば兵の数は問題ではありません。今川義元は討ち死にし、信長は天下を取る第一歩を踏み出すのです。そして彼が話に輪を掛けたとしても誰も訂正できないのです。何しろ天下人ですから。