残り物には福がある
【漢字】残り物には福がある
【読み】のこりものにはふくがある
【意味】人々が取っていった残りものには思いがけない良い物がある。順番で最後になった人に慰める時に多用される。
【例文1】くじ引きで班長を決める事になった。引く順番は最後だが、残り物には福があるから大丈夫。
【例文2】役員決めでくじ引きが最後になった。残り物には福があると信じたい。
【例文3】残り物には福があると同情される。
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残り物には福がある、は嘘?
昔、こんな経験をしました。
一人っ子だった私はそれはそれはマイペースな子どもで、幼稚園や小学校に上がっても競争という競争が大嫌いな子どもだったんです。
なのでお友達の家にお呼ばれしたときのお菓子や、係決めのくじびき、図工で使う画用紙の色、何をとってもいつも手を伸ばすのは残り物だけ。
心の中ではこのお菓子が食べたい、この色がほしい、と思っていても他の子の剣幕に押されて競争に乗り遅れてしまいます。
母からはその都度「残り物には福があるから大丈夫」、と言われてきたのですが、最初から分かっているお菓子選びなんかは最後に残るのは当たり前のように一番人気のないものだし、くじびきだって残ったくじですごい得をした!って経験はこれまでそんなにはありません。
それに思うんです。くじをひく順番が最初の方でハズレを引くのと、最後あまりものを引いてハズレと、どっちが後悔がないかって圧倒的に前者なんですよね。
だって、最初にくじをひいたのは自分の意志だけど、最後にくじをひくというのは、「引く」とは言えないですから。もし当たりだとしてもやっぱり自分で引き当てた感覚って薄いと思うんですよね。
だから私は「アンチ残り物には福がある派」だったのですが、ただ一つ思うことがあります。激しい競争のぶつかり合いの中では、その結果に泣いたり、後でズルをしただのともめて喧嘩になったり、私には縁のないような争いを横目に、私は平和に残り物にありついていたわけです。
そうか、欲をもたずに心穏やかに、今自分の目の前にあるもので満足すること、これが本当の「福」だったりしてね、と大人になった今思うんですよね。
残り物には福があるとは
良く残り物には福があるという言葉を耳にします。この意味は、人々が先を争って取り合った残り物には、以外に良い物があるということから、おっとり構えて少しも慌てることがないような人には、思わぬ幸運が訪れるということです。普通に考えると、何かを選ぶ際に、誰もが良い物から選んでいきます。残った物は決して良い物ではないはずです。では、なぜこのようなことわざが生まれたのでしょうか。
それは、先を争い目の色を変えて、取り合っては本当に良い物かどうか見極めることが難しいということがあるのかもしれません。人はある程度落ち着いて、じっくり見て選ぶべきと言う意味でしょう。また、自分で生活をしていても、何かの際に真っ先に手を出して、周囲の人のことも考えないような人とはおつきあいをしたいとは思いません。のんびり、選んでいる人の方が、なんとなくつきあっても良いかなと思います。そんなことを言ったことわざなのでしょう。
遺産の分配の時などは顕著に表れます。まずは一番金額の張る物を手に入れようとするでしょう。しかし、のんびり構えていた人の方が将来的には一番良い物を手に入れることがあります。先を争った人より、のんびりじっくりした人に仕事を任せたいと思う人が現れるかしれません。誰かが必ず人のやることは見ているものなのです。
残り物には福がある
有名な言い方ですね。似たような言葉で
「慌てる乞食は、もらいが少ない」とかもあります。他人を押しのけて、慌てて何かをたべようとしたり、何かを買おうとしなくても、残り物にも思わず美味しい物や得する物があると言う意味で、何事も慌てず落ち着いて!と言う意味でしょうね。
英語では、「Last but no least」と言う言い方があります。例えばテレビキャスターが最後のゲストを紹介する時に、最後になりましたが、この方も大切なゲストです!と言う意味で使います。
私の両親はもう亡くなりましたが、結婚生活50年以上でもいつも仲良く、いつでも一緒にいたい!と言う感じでした。そんな父の口癖がこれでした。両親は結婚したのが遅く、母は兄弟から良く「売れ残り」とからかわれていたようで、父はいつも、「残り物には福があるってね!」と言っていたのを覚えています。最高の夫婦愛ですよね。
私がいつもおもうのは、今飼ってるビーグル犬8歳になりますが、シェルターで何匹かいた子犬の最後の残りでシェルターの人が、「この子は大人し過ぎて、誰も欲しがらないの」と言っていましたが、迷わず家に連れて帰りました。親バカですが、この子は1度もうなったり、歯を見せた事もなく、誰からも愛される最高の子です。やはり「残り物には福がある」は本当なんですね!