伝家の宝刀
【漢字】伝家の宝刀
【読み】でんかのほうとう
【意味】家宝として代々伝わる刀をたとえとして、いざというときの切り札をいう。
【例文1】会社設立のための隠し預金が伝家の宝刀だ。
【例文2】転職の際は経験という伝家の宝刀がある。
【例文3】進学の際は学資保険が伝家の宝刀だ。
伝家の宝刀をテーマにした記事
「伝家の宝刀」の意味は「〇〇」ではなかった!?あれ?「天下の」じゃなかったけ?
伝家の宝刀というと、どのようなイメージがありますか?その人の得意技、所謂必殺技と思っている人も多いかと思います。現在の日本語としては、あながち間違っているとも言い切れない状態になっているのですが、実は間違いです。
本来の意味は、「奥の手」が正しい意味で、由来としては「先祖代々、家に伝わる名刀」だとされています。そんな刀を常時使用して戦うことなんて考えられないですよね。つまり、「最後の切り札」「とっておき」ということになるのです。
現在の必殺技的なイメージも、「黄門様の印籠」で例えるなら、別にむやみに印籠を出すことは無いですよね。最後の最後に取り出して、「ははー」となって終わります。一話単位で見ると、確かに「伝家の宝刀」でも良いかもしれません。
しかし、毎週やってますよね?もう「お約束」というやつです。そうすると「お馴染みの必殺技」感が出てしまい、上記の誤用に繋がったのだと思います。因みに誤用と言えば「天下の宝刀」という物もあるそうなのでご注意ください。
野球のピッチャーの得意球に対しても使われますが、本来は「伝家の宝刀を抜く」が正しい形で、「『大事な宝(=伝家の宝刀)』を使わざるを得ない」を示します。つまり、投球に何らかの制限があり、滅多に使えないなら間違いではないですが、そうでなければ誤用ですね。
「確信犯(正しくは故意犯)」のような、誤用がまかり通ている言葉なので、注意して使っていきたいですよね。
伝家の宝刀は最後の手段
伝家の宝刀というのは、最後の最後までとっておくべきです。というのも、誰がどんな切り札を持っているか分かりませんからね。いきなり伝家の宝刀を使ってしまっては、もう武器はない状態になってしまう、とも言えるでしょう。
たとえば自慢げに「自分は〇〇大学を出ている高学歴だ」と触れ回っている人がいるとしましょう。多くの人からすれば、確かにその〇〇大学というのは、高学歴ともいえる大学かもしれません。ですが日本にはいくつも大学がありますし、きっとその『〇〇大学』よりも高学歴と言われる大学は存在すると考えられます。それに「自分は〇〇大学だ」と自慢していて、相手が実は自分よりも高学歴だった、なんてことになったら、恥ずかしい思いをするでしょう。能ある鷹は爪を隠すとも言うように、本当に実力を持つ人は、自ら自分の強みをさらけ出すようなことはしません。
それに最初から伝家の宝刀を出しているということは、常に武器を振り回しているような状況です。傍から見ると、みっともない以外の何物でもないのではありませんか。それに本来『伝家の宝刀』というのは、とっておきの最後の切り札としてとっておくべきです。切り札を最初から出すのは、格好悪いように思えます。