虫がいい

【漢字】虫がいい
【読み】むしがいい
【意味】自分の都合ばかり考えて人のことなどお構いなしの態度。
【例文1】手伝いもしないのに、ご飯だけ食べに来るなんて虫がいい話だ。
【例文2】あの時助けてもくれなかったくせに今度は助けてだって?虫がいい話だ。
【例文3】楽して稼ぐ仕事なんて虫がいい話だ。

虫がいいをテーマにした記事

虫がいいってどんな虫?

以前、いい印象は抱いていないがどうしても関わらずにはおれない虫がいい相手から「あなたは虫が良すぎる」と言われ非常に不快に思った記憶があります。疎遠になりたい相手だったので雑に扱い過ぎたためでしょうが、それ以来こちらからは一切連絡をすることはありません。
常日頃からその方は話し相手の神経を逆撫でても何事もなかったかのように忘れ再度連絡をしてくるので本当に虫のいい話です。虫々と連ねましたが、この虫とはどんな虫なのでしょうか。その虫はかつて人の体の中には棲んでいるとされていたそうです。その虫が知らせをくれたり、腹にすむ虫がおさまらず腹立たしく思うのも体内の虫が影響を与えるとされ慣用句としても数々残っています。
虫の居所が悪い、虫唾が走るなど総じて良い印象を与えないものが多いです。虫というだけでもあまり好ましくなくいい気がしないのに更に体内にいるとなれば腹が痛くなる思いです。そんな数多く使われる虫の起源としては中国の三大宗教の一つである道教に由来する産まれた時から体内に宿る三尸とされています。別には、はるか昔は衛生環境が整っておらず、実際に腹にいた寄生虫に物事の責任を押し付けるといったいわれもあるそうです。何事も虫のせいにする身勝手さは持ちたくないものです。

「虫がいい」の虫は思想をもつ虫

虫がいいとは自分の都合のいいことばかり考えている人や身勝手や自分勝手の考えの人の「君の考え方はあまりにも虫がいい」などとよく使われます。
なぜ、そのような考えや行動を「虫がいい」と表すのでしょうか。
昔日本では人の体には9匹の虫がいると考えられていました。
その9匹の虫はいろいろな思想を持っていて、何か人が行動した時はその虫の思想がそうさせたという考え方だったそうです。
「虫がいい」はその中の物事を都合よく考える思想を持つ虫の考えだということです。
そのため虫を使った言葉は多く「虫がいい」のほかにもたくさんあります。
「虫の知らせ」は先に起こる悪いことを事前に教えてくれる良心的ないい虫です。
「虫の居所が悪い」これは自分の機嫌の悪いことを虫の居所のせいにしています。また誰かの機嫌の悪い時も「あいつ今日は虫の居所が悪いから・・」などとその人間ではなく虫の居所の悪さが原因としています。
「虫が好かない」これは自分が気に入らない相手を虫が嫌っているためと虫のせいにしています。
このように昔の日本人は良いことも悪いことも人は体内にいる虫の思想のもとに行動してたと、虫のせいにしていたということです。
随分「虫がいい」話です。