角を矯めて牛を殺す
【漢字】角を矯めて牛を殺す
【読み】つのをためてうしをころす
【意味】曲がった角を矯正すると、牛が弱って死んでしまうことから、わずかな欠点を直そうとしたら、かえって全体が駄目になるものである。
【例文1】修理しようと機械を分解したら、組立きれず角を矯めて牛を殺す。
【例文2】隠し調味料のつもりが角を矯めて牛を殺す。
【例文3】色塗りの修正が角を矯めて牛を殺す。
角を矯めて牛を殺すをテーマにした記事
角を矯めて牛を殺すような事をしてしまいました
角を矯めて牛を殺すとはわずかな所を直そうとして全部が壊れてしまうことです。
そんなことになったら残念でなりませんよね。
私は小学校・中学校の頃と絵がおを描くのが下手でした。色塗りのグラデーションもできませんし、陰影も下手です。毎年夏休みの課題に果物や自画像など描かなければなりません。下書きまではまあ何とか描いていざポスターカラーで塗り始めると立体感は出せないし、リンゴといっても真っ赤で済ませられるわけがありません。教科書をみると緑や白っぽい色も使われています。1時間もかけてようやくそれらしきリンゴが完成しました。仕上げにつや感をだすために色を入れたのが失敗でした。最後の最後で角を矯めて牛を殺すような事をしてしまい、余計な事をするんじゃなかったとひどく後悔しましたが後の祭りです。もう一度最初から描き直しました。本当に才能もないことが実感されました。20歳になって初めての彼氏に料理をするようになりました。レシピ通りおいしくできました。ですが、盛り付けなどは頭にありませんでした。作るのに一生懸命でしたし・・最後の盛り付けまでが肝心なんだよと言われました。
「角を矯めて牛を殺す」の身近な例
「角を矯めて牛を殺す」とは「少しばかりの欠点を矯正しようとしてその手段が度を過ぎて、かえって物事全体をだめにしてしまうこと」です。これは華道をかじったことのある人は覚えがあるのではないでしょうか。お花を活けるには、花材同志のバランス、花器とのバランスなどを見ながら活けていくのですが、メインに据えるお花をいかに美しく見せるか腐心します。例えば花材にしなる枝、柳や梅などがあるとそれを両手の親指で加減しながら、自分の欲しい曲線が出るように矯めていくのですが、その塩梅が難しいのです。上級者は「こうよ~」などと言いながら、なんていうことなく曲げて見せるのですが、初心者は曲げるつもりが手折ってしまったらどうしようという心配が先にたち、枝を変に傷つけてしまって「あ~」と残念がるもすでに遅し。ということを繰り返して矯め技も習得していくのですが、やはり道と名のつくものは厳しいものです。道はつきませんが、千葉県に和竿という竹で作る釣り竿があります。何年も寝かせた竹を炭で炙りながら矯めて曲げて作るのですが、やはり熟練の技がなければ、良い和竿にはなりません。「角を矯めて牛を殺す」ようでは困るのです。ちなみに千葉県では上総和竿という野布袋竹で作った釣り竿が千葉県指定伝統工芸品として、その製作方法から守られています。