蛇ににらまれた蛙
【漢字】蛇ににらまれた蛙
【読み】へびににらまれたかえる
【意味】蛇ににらまれたら、怖くて動けないたとえから、身がすくんで逃げる事もできず動けない様子。
【例文1】遅くに酔っ払って帰宅した父は、蛇にらまれた蛙のように小さくなっていた。
【例文2】余計な事は言うなと目で合図され、蛇ににらまれた蛙だ。
【例文3】蛇ににらまれた蛙で勇気が出ない。
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強者ににらまれ(狙われて)恐ろしくて動けない
日本語の慣用句で、「蛇ににらまれた蛙」という言葉があります。
蛙、は「かわず」と読みますが、これはカエルのことです。
蛇は肉食ですので、大型になるとネズミもよく食べます。カエルも例外ではありません。
蛇ににらまれた、つまり狙われてしまうと、カエルは動けなくなり、食べられるのを待つだけになってしまうそうです。
このことから、「蛇ににらまれた蛙」とは、強者ににらまれ(狙われて)恐ろしくて動けなくなってしまうことを意味します。
小説など文章の中では出てくるかもしれない慣用句です。
例えば、「蛇」は恐ろしい鬼女房やクライアント、上司かもしれません。
「蛙」は逆らえない夫や会社、部下かもしれないのです。
何にせよ、この慣用句を使うときには、必ず上下関係が発生します。
「蛇」が上、「蛙」が下です。
自分が蛇ならまだマシですが、蛙ならたまったものではありません。
人間は、本来なら誰しも平等に生まれたはずです。
圧倒的強者に支配されているとき使うこの言葉ですが、こんな状況にはなりたくないものですね。
「蛇ににらまれた蛙」と三すくみ
「蛇ににらまれた蛙」は「天敵に出会ってしまい、すくんでしまった状態」です。今風に言えば、固まった状態です。この言葉から連想するのは歌舞伎の「自来也(児雷也)」です。宋代の中国に実在し、盗みに入った家の壁に「我、来たるなり」と書き記したという盗賊「我来也」を元に歌舞伎や浄瑠璃になりました。そのお話は、肥後の豪族の子・尾形周馬弘行がその正体であり、越後妙高山に棲む仙素道人から教えられた蝦蟇の妖術(大蝦蟇に乗る、または大蝦蟇に変身する術)を使うことができます。彼の妻は蛞蝓の妖術を使う綱手(つなで)、宿敵は青柳池の大蛇から生まれたとされる大蛇丸(おろちまる)であり、児雷也・大蛇丸・綱手による「三すくみ」の人物設定はいろいろな物語、戯曲、歌舞伎などで使われています。1921年の映画『豪傑児雷也』は、日本初の特撮映画であり、主演した尾上松之助の代表作になりました。最近では漫画、アニメの「ナルト疾風伝」でその設定がなされていたり、戦隊シリーズの特撮もの「忍者戦隊カクレンジャー」でもスーパーヒーローとしてニンジャブラックジライヤが出てきて、若いお母さんたちやちびっこたちにも支持されていましたね。三すくみのうちの蛞蝓と蛙、蛙と蛇の関係は理解できますが、蛇が蛞蝓を嫌うのかどうかの真偽は定かではありませんが、その設定が三つ巴であるからこそ、面白いのだと思います。これからもどんな作品に、この設定が使われるか楽しみです。