顰に倣う
【漢字】顰に倣う
【読み】ひそみにならう
【意味】顰とは眉をしかめること。美人は眉をしかめても美人で、他の女性も真似てみたことから、むやみに人の真似をする。
【例文1】顰に倣っても彼女にはかなわないよ。
【例文2】顰に倣って失敗する。
【例文3】顰に倣って笑い者になる。
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顰に倣うことは間違いなのか
顰に倣うというと、すこしネガティブな印象になります。言葉の意味としては、真意も分からず他人の真似をするというものです。そのネガティブな印象は美人が眉間にしわを寄せているのを見た醜女が語源であることに起因していると考えられます。しかし、真意も分からず真似をする、それは間違いなのでしょうか。その点においてのみ私は必ずしもそうではないと思います。例えば電子レンジの中身を完全に知っている人はどのくらいいるのでしょうか。専門の人以外はガイドブックを読むなど、人に倣って使い方を覚えていると思います。なぜならばそれが効率的だからです。人は誰もが道具を使いますが、その中身を知る人は専門家だけです。多くの人は道具をブラックボックス(形式的な言葉なら関数)と捉えて、入力をして出力を手に入れているのです。電子レンジの場合、入力は例えば冷凍食品とボタンで、出力はご飯です。もちろん、電子レンジに興味があるならば学ぶべきでしょう。ですが、まず電子レンジをブラックボックスとして捉えて、次にその中身を知ることは学び方としては効率的ではないでしょうか。因果関係を正しく捉えた上で真似することは、とても重要なことだと思います。ただし、顰に倣うという言葉の内容においてだけなら、眉をひそめるという行為が意味のないものであり、これはここで議論したブラックボックスとは呼べないのでよくありません。眉をひそめると美人に見えるという因果関係が保証されていないことが、この言葉の肝になっているのです。電子レンジのように、保証されたブラックボックスだけを真似するようにするべきです。