幕を閉じる

【漢字】幕を閉じる
【読み】まくをとじる
【意味】芝居が終わると幕を閉じることから、物事が終わる時にいう。
【例文1】この事件は犯人が自首してきて幕を閉じる。
【例文2】準優勝で幕を閉じる。
【例文3】10日間の全競技が幕を閉じる。

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「幕を閉じる」場面が印象的な映画

「幕を閉じる」とは「引き幕を閉じて芝居が終わること。転じて事が終わりになること」です。芝居の途中で「幕を閉じる」場面がすごく印象的だったのは映画「Wの悲劇」です。夏樹静子原作の「Wの悲劇」を大胆にも劇中劇として活用し、それを演じる劇団研究員女性の成長を描く青春映画です。沢井信一郎監督が夏樹静子を説得してこの形式にしたもので、薬師丸ひろ子が主演し、三田佳子が助演で、作品も監督も主演、助演女優まで数々の賞を受賞した作品です。劇中劇の演出家を蜷川幸雄が演じていたり、テレビのリポーター役で福岡翼、梨本勝、須藤甚一郎、藤田恵子などが出演していて、日常的にテレビで見ているそのまんまの世界が繰り広げられているようで、不思議な感じがしました。薬師丸ひろ子が映画の演出とはいえ、素人っぽさをまだ持った劇団研究員から、スキャンダルを経てさなぎから蝶になるかの如く、舞台女優となっていく姿を見事に演じていて、この映画で映画女優としての地位をゆるぎないものにしました。肝心の「幕を閉じる」場面は舞台で演じきった薬師丸ひろ子に対し、三田佳子が「今日だけは譲ってあげる」と言って、彼女に一人だけでカーテンコールを受けさせる場面です。一度閉じた幕がもう一度開き、薬師丸が大きく手を広げ客席に向かって挨拶をします。その顔は充実感にみなぎり、客席からの拍手を一身に受ける栄誉からか、自信と誇りに輝いてみえます。ですが、それで終わりではありません。幕を再び閉じたあと、大どんでん返しが彼女を待っていたのです。もう鬼籍に入られた方も多く、DVDでしか観られませんが、秀逸な青春映画の魅力は色あせません。