平身低頭

【漢字】平身低頭
【読み】へいしんていとう
【意味】頭を低くしてひたすら謝る姿勢。
【例文1】取引先に無礼な発言をして平身低頭で謝るしかない。
【例文2】ビジネスを成功させるには平身低頭な姿勢が重要である。
【例文3】平身低頭でも怒りがおさまらない。

平身低頭をテーマにした記事

有名な「平身低頭」場面

平身低頭とは「身を低くして頭を下げる様子、ぺこぺこすること」です。
ある国で有名な哲学者が土管のような所で昼寝をしていたところ、王様が通りかかり、その様子に気づいて「あの者はなぜ自分に挨拶をしないのだ」と急に怒り出しました。哲学者は王様の前にひった立てられ、挨拶をしますが、王様は許しません。首をはねられそうになりますが、哲学者は王様の足元に平身低頭して許されます。それを見た観衆の一人が哲学者に「あなたは悪くもないのにどうしてあのようなふるまいをしたのですか」と聞くと哲学者は「恥ずべきは足に耳がある王のほうだ」と答えたという話があります。平身低頭は大昔からの謝罪のひとつの形であったのでしょう。
日本でも有名なところで牛若丸(源義経)と弁慶の出会いの時、弁慶は平身低頭しています。京都の五条大橋の上で毎夜、刀狩と称して武士を襲っては刀を巻き上げていた弁慶。ある晩、牛若丸と出会います。身軽な牛若丸は大男の弁慶を橋の上で翻弄し、とうとう弁慶は降参し二度と刀狩などしないことを誓います。そして後々弁慶は義経の家来になります。その後、義経が兄頼朝に追われ奥州に逃げた時、安宅の関で「義経本人ではないか」と関所役人に問いただされて窮地に陥った時、弁慶が機転をきかせて義経を「お前のせいで疑われた」と散々打ちのめします。その様子に家来が主君をそのように打つことはないだろうと判断され無事に通してもらうことに成功します。通り抜けたあと、弁慶は義経に非礼を詫び平身低頭します。義経はそんな弁慶の機転に心から謝意を示します。歌舞伎の「勧進帳」で有名な「平身低頭」です。