待たれる身より待つ身はつらい

【漢字】待たれる身より待つ身はつらい
【読み】またれるみよりもまつみはつらい
【意味】待たせている方も辛かろうが、待つ身はもっと辛い。
【例文1】待たれる身より待つ身はつらいので、お互い時間はきちんと守ろう。
【例文2】遠距離恋愛は待たれる身より待つ身はつらい。
【例文3】交際の返事が待たれる身より待つ身はつらい。

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待たれる身より待つ身はつらいで思いつく有名人

「走れメロス」の登場人物でメロスの友人「セリヌンティウス」は、待たされて辛い思いをした人ランキングのトップ10に入ると思います。
最終場面でメロスとセリヌンティウスは、互いに相手を完全には信頼していなかったことを告白しあい一発ずつ相手を殴ります。
どう考えても、セリヌンティウスのパンチはメロスのパンチよりも重かったと思えます。
勝手に王様と喧嘩した挙句に、勝手に人質に指名され、指定時間ギリギリまで戻ってこないとか許し難いにも程があります。
現代に置き換えれば、借金の保証人レベルの責任を自分の意思と無関係に負わされるような事態です。
普通の人間であれば、人質に指名された時点で絶縁状を叩きつけた上から拳が飛んできそうです。
加えて三日も拘束された上に、間に合わなければ命が奪われるという理不尽さは到底受け入れられません。
セリヌンティウスの人格者ぶりには、感嘆するとともに全く理解が追いつきません。
走れメロスの作者太宰治は、実際に借金の形に友人を残して金を取りに戻ったという話があります。
金を取りに戻ったものの工面がつかずに友人は放ったらかし、当然友人は大激怒です。
そのエピソードが走れメロスの元となったという話もありますが、待たれる身より待つ身はつらいを太宰は全く理解していないと思います。
激怒する友人に「待たせる身が辛いかね」というような言い訳をするあたりには友人失格の称号を贈りたいくらいです。