杖とも柱とも頼む
【漢字】杖とも柱とも頼む
【読み】つえともはしらともたのむ
【意味】とても頼りにしている。
【例文1】家のリフォームは建設業の息子に杖とも柱とも頼む。
【例文2】老後は優しい長男を杖とも柱とも頼むとする。
【例文3】稼ぎがいい夫は杖とも柱とも頼む。
杖とも柱とも頼むをテーマにした記事
「杖とも柱とも頼む」人は?
「杖とも柱とも頼む」の杖は歩行の時に体重を支えるために使用する長い棒のことですが、ここでは転じて「頼りとするもののたとえ」で、「杖とも柱とも頼む」は「非常に頼りにしている存在である」という意味です。
というと非常に大袈裟なようですが、例えば漫画家と編集者の関係がそうではないでしょうか。集英社の「少年ジャンプ」に掲載され、アニメどころか実写版の映画にまでなった人気漫画「バクマン。」絵は物凄く上手な真城最高と文才と発想力に優れた高木秋人の二人がコンビを組んで漫画家を目指していく話です。苦労しながらも、やっと完成した作品をジャンプ編集部に持ち込んだ二人は敏腕編集者・服部哲と出会い、その資質を認められて漫画家としての第一歩を踏み出し始めます。これは漫画の中の創作話ではありますが、編集者が作品のみならず、書き手の性格、抱える事情、希望など全てを承知の上で、より読者にアピールできる作品をとか、今度はこうした方がいいとかアドバイスをし二人は従ったり、逆らったりしながら成長しく様子がすごくリアルなのです。
実際の現場がこうだとは限りませんが、漫画家が仕事上、「杖とも柱とも頼む」人は編集者に違いないと思わせる作品です。また、第32回吉川英治文学新人賞を受賞し、大ベストセラーとなっている辻村美月の「ツナグ」もそんな関係性の中で生まれた珠玉の作品です。辻村本人が他の作品の中で「あの編集者がいなければ『ツナグ』は書けなかった」と書いています。彼女もまた、編集者を「杖とも柱とも頼む」作家のひとりなのです。