石に漱ぎ流れに枕す

【漢字】石に漱ぎ流れに枕す
【読み】いしにくちすすぎながれにまくらす
【意味】「石に枕し流れに漱ぐ」と言うべきところを間違って「石に漱ぎ流れに枕す」と言った。指摘されて、「石でロを漱ぐのは石で歯をみがくため。流れに枕するのは耳を漱ぐため」と言い逃れをした。つまり、自分の誤りを認めず、屁理屈を並べて言い逃れる者。
【例文1】彼はいつも石に漱ぎ流れに枕すで、話を終わらせようとする。
【例文2】石に漱ぎ流れに枕す者って社内に一人はいるよね。
【例文3】非を認めず石に漱ぎ流れに枕す奴だ。

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石に漱ぎ流れに枕するの元ネタについて

「石に漱ぎ流れに枕す」は「流れに漱(くちすす)ぎ、石に枕(まくら)す」を言い間違えた結果です。
流れに漱ぎ石に枕すという言葉は、俗世を離れて自然の中で悠久自適に暮らすことを指しています。
川の流れで口を漱ぎ、その辺にある石を枕の替わりとするという家財道具や所持品すらないような状況のようです。
石に漱ぎ流れに枕すは、 中国の晋時代の人物:孫楚が上の言葉を言い間違えたものの、間違えたことを認めず無理矢理に意味をこじつけたのが元ネタです。
曰く、石に漱ぐのは歯磨きのことで流れに枕すは耳を洗うこと、という何とも苦しい言い訳です。
流石の語源や、夏目漱石の名前になった言葉として有名です。
「流れに漱ぎ石に枕す」は、俗世を離れるというよりは都会を離れて田舎暮らしという意味に使われるようになっている気がします。
自然が豊かとか鳥獣が多く生息するなどといっても精々が市街地から離れた集落に住むのが精一杯でしょう。
実際に川の流水を直接口に含むとか、石ころを枕にするとかはワイルドすぎます。
遭難でもしない限りそのような生活には到底たどりつく事などありえません。
水道の水ですら飲料用とせず、お気に入りの枕がないと眠れない現代人にはほとんど無縁と言える言葉です。