胸に納める
【漢字】胸に納める
【読み】むねにおさめる
【意味】黙って胸に秘めておく。
【例文1】この事は自分だけの胸に納めておこう。
【例文2】友人の悪事を胸に納めるか迷う。
【例文3】今回だけは胸に納める。
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かわいそうなので胸に納める事にしました
私が住んでいる地域では、冬になると灯油の移動販売がまわってきます。
灯油を買う場合は、意思を示す為に、家の前に灯油のポリタンクを事前に置くようになっています。
ある日その灯油のポリタンクの上に、代金らしいものが置いてある家を見つけてしまいました。
盗られたらどうするんだろうと思いましたが、他人の家に口出しするのもどうかなと思ったので、黙っていました。
それからもその家は、ポリタンクの上にお金を置き続けていたのです。
ある日の事、そのポリタンクに近所の見知った子どもが近付き、お金を盗る所を偶然目撃してしまいました。
これはいけないと思い、子どもの所につかつかと近づき、「こんな事しちゃだめだよ」と言い、ポリタンクの所にお金を戻させたのです。
すると子どもはゴメンナサイゴメンナサイと連呼して、泣き始めてしまいました。
この子の家は母子家庭で、お金に不自由している事を良く知っていました。
ですから今回つい出来心から、お金を盗ってしまったのだと思われます。
なので私は、今回の事を自分の胸に納める事にしたのです。
「今回の事は誰にも言わないから、もう泣かないで」と言ったら、落ち着きを取り戻し、家に帰って行きました。
この後この子は、私が誰かに何かしゃべるんじゃないかと思い、私と顔を合わせると必ずびくっとするようになりました。
しばらくするとこの子は、母親と共ににどこかへ引っ越して行ってしまい、胸に納める私の選択が合っていたのか、今でも悩む事があります。