茶番
【漢字】茶番
【読み】ちゃばん
【意味】見えすいたくだらない演技。
【例文1】謝罪会見は茶番劇で誠意もみられない。
【例文2】政治家の茶番会見だ。
【例文3】茶番劇に腹が立つ。
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江戸時代の歌舞伎がルーツの「茶番」
政治家の動きなどをさげすんで表現するときに、よく「とんだ茶番だよ」という言い方をします。裏の駆け引きが見え透いていて、ばかばかしくくだらないようすのことをそう呼ぶわけですが、考えてみると、どうしてそれが「茶番」なのか、よくわかりません。
「そもそも茶番って何?」と首をかしげる人は少なくないでしょう。私もその一人。この言葉の「茶番」とは何か、わからないで使っていました。
この言葉のルーツは、江戸時代の歌舞伎にあるのだそうです。「とんだ茶番劇」という言い方をすることもありますよね。「劇」が付くことがあるのは、歌舞伎がルーツだからなのでしょう。
江戸時代、歌舞伎の下っ端の役者、いわゆる大部屋にいる「その他大勢」の役者たちの楽屋内の仕事の一つに、お茶汲みがあったそうです。そういう雑用を、下っ端役者がやらされていたわけですね。
そのお茶汲みは当番制で、当番になった役者が、楽屋内で余興として寸劇を披露したのだそうです。ちゃんとかつらや衣装を着けることもあれば、そうでないこともあったようですが、いずれにしても、お茶汲み当番の見せる寸劇であるところから、「茶番狂言」と称しました。ここでの「狂言」は芝居という意味でしょう。
それが、吉原や一般の人にも広まっていって、「くだらないこと、ばかばかしいこと」を「茶番」というようになったわけですね。
今でもけっこうよく使われるのですから、寿命の長い言葉と言っていいでしょう。