泣く子も黙る

【漢字】泣く子も黙る
【読み】なくこもだまる
【意味】泣いている子どもも黙るほど怖い存在感。圧倒的な力を持つ者に対して使う。
【例文1】我が部署に泣く子も黙る部長が異動でやってきた。
【例文2】泣く子も黙る部長は妻にだけは弱いみたいだ。
【例文3】泣く子も黙る上司は一人娘にだけは弱い。

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泣く子も黙る鬼部長の意外な一面

以前勤めていた会社の部長は泣く子も黙る鬼部長でした。部長が同じフロアに入ってくるだけで課の雰囲気はピリッとしたものになり、特に課長などはうっすらと汗を浮かべている始末です。鬼部長は特に理不尽に怒るというわけではなく、理路整然とできていないことを指摘して、それを達成するよう確約を迫るということで恐れられていました。年齢は五十過ぎで能力的にはもう一つ上にいける器だと言われていましたが、上に部長のことを気にいらない偉い人がいるため部長止まりということでした。
私は十年間勤め人をしていたのですが、趣味でやっていた曲作りであるアイドルグループに楽曲を使って貰ったところ予想外のヒットとなり少なくない副収入が入るようになっていました。私は悩んだ末に、学生時代からの夢だった作曲専業になるために会社を辞めることにしました。そのことを聞いた部長が飲みに誘ってきたのです。よく顔は合せていたのですが、仕事の上で直接何か命令をされたことはありませんでした。今回辞めることで何か怒られるのではないかとびくびくしていたのですが、部長はただお酒をおごりたいだけのようでした。話を聞くと部長も大学時代はバンドを組んでデビューを夢見ていたことがあったらしいのです。鬼部長の意外な一面でした。そして、何か困ったことがあればいつでも戻ってこいという言葉を貰うことができました。