臆面もなく
【漢字】臆面もなく
【読み】おくめんもなく
【意味】遠慮した様子もなく図々しい者。
【例文1】臆面もなく並んでる列に割り込んでくる。
【例文2】彼は臆面もなくよく食べる。
【例文3】臆面もなく手ぶらで来訪する。
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「臆面もなく」授業に出る坊ちゃん先生
「臆面もなく」とは「気おくれした顔面、様子がちっとも感じられない」ことです。この言葉で連想されるのは夏目漱石の「坊ちゃん」です。主人公は単純明快な青年で、四国松山の中学校の数学教師として、東京から赴任します。初めての土地、初めての教職ですが、江戸っ子気質を武器に生徒たちと向き合います。ただし、田舎町では新参者が珍しいこともあり、先生の動向を生徒たちは逐一知り、共有しては黒板に書いてからかってきます。それもこの坊ちゃん先生のことが気に入っているからこその行動なのですが、本人は気が付かず、只々生意気な生徒たちが、元気を持て余してかまってくるぐらいにしか思っていません。田舎に来て、知り合いもいない解放感から、運動のためにと人がいないのを見計らっては毎日のように銭湯で泳ぐ彼。ある日、墨黒々と「泳ぐべからず」と書いてあります。そして次の日の朝、教室の黒板に「湯の中で泳ぐべからず」と書かれています。まるで生徒に見張られているようだと驚きながらも、銭湯で泳いだことに反省するでもありません。そして文字通り「臆面もなく」淡々と授業をこなしていきます。生徒たちはその後もからかい続けますが、次第に両者に信頼関係が生まれます。