会者定離
【漢字】会者定離
【読み】えしゃじょうり
【意味】出会った者は必ず別れがくる。
【例文1】お隣さんが仕事の転勤で外国に引越しする事になった。会者定離で仕方がない。
【例文2】会者定離だけど今は連絡手段が発達して離れていても便利だ。
【例文3】離れていてもテレビ電話で会者定離を感じない。
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「〇〇ロス」を表す仏教の教えは「会者定離」
人気のテレビドラマが終了すると、その番組名に「ロス」という言葉をつけて、「連続ドラマが終わって、〇〇ロス症候群になる人が続出」というような表現をすることがよくあります。
毎回見ていたドラマを見られなくなったために、さみしさを感じたり、心の中にぽっかり空洞ができたように感じたりする心理状態のことです。
また、飼っていたペットが死んでしまうと、ペットロスになる人も少なくないでしょう。この「〇〇ロス」という言葉は、仏教の教えに通じるものがあります。
その教えは「会者定離(えしゃじょうり)」。ブッダが亡くなる前、最後に説いたとされる教えを記した『遺教経(ゆいぎょうきょう)』に出てくる言葉で、「この世で出会ったものとは、必ずいつか別れが訪れるものだ」という意味です。
『平家物語』では「生者必滅、会者定離」という形で記されていますが、いずれも仏教の本質である「無常観」を表現した言葉と考えていいでしょう。
仏教には「四苦八苦」という教えもあり、その中にも会者定離の考え方が出てきます。「四苦八苦」というのは、人間がこの世で味わう根本的な苦しみを分類したものですが、その中に、「愛別離苦」という言葉があります。これは「愛するものと離れなければならない苦しみ」という意味で、まさに「〇〇ロス」をそのまま表現した言葉ということができるでしょう。
つまり、「〇〇ロス」という言葉と心理は、仏教の根本的な教えに通じるものがあるというわけなのです。