踏んだり蹴ったり
【漢字】踏んだり蹴ったり
【読み】ふんだりけったり
【意味】重ね重ね災難が続く。
【例文1】財布を忘れた上に会社に遅刻で踏んだり蹴ったり。
【例文2】飲みすぎて財布を失くして踏んだり蹴ったり。
【例文3】強風で傘が折れ、泥はねにも遭い踏んだり蹴ったり。
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「踏んだり蹴ったり」はおかしな表現?
営業の仕事で、得意先に怒られて意気消沈して社に戻ったら、上司からまったく別のことについて叱られてしまいました。
席に戻って隣の同僚にその話をして「踏んだり蹴ったりだよ」と話したところ、同僚は「それは大変だったね。ドンマイ、ドンマイ」と慰めてくれました。
その後で、同僚がこんなことを言ったのです。
「それはそうと、踏んだり蹴ったりというのは、変な表現だな」
「どうして?」
「だってそうじゃないか。ひどい目に立てつづけにあうことを、踏んだり蹴ったりというわけだろ。だけど、君のことを踏んだり蹴ったりしたのは、得意先と上司ってことになる。君は、得意先と上司から踏まれたり蹴られたりするような目にあったんだから、『踏まれたり蹴られたり』というべきじゃないのか」
言われてみれば、たしかにその通りです。「踏んだり蹴ったりだよ」というと、なんだか私が人のことを踏んだり蹴ったりしたような意味になってしまうでしょう。
「泣きっ面に蜂」と同じく、良くないことが続けて起こったのですから、「踏まれたり蹴られたり」といわなければ、意味が正しく表現できません。
それで連想したのが「負けず嫌い」という表現。これも「負けるのが嫌い」なのですから、「負け嫌い」というのが正しいでしょう。
日本語には不思議な表現があるものですね。
踏んだり蹴ったりだった出来事
ツイてないなあと感じるようなことは、日常の中でしょっちゅうあります。毎日いいことしか起きない幸せな人生なんてありえないですからね。いいことも嫌なこともあるから、幸せを感じることができるようになっているのだと思います。でも、あまりにツイてないことが立て続けに起きると、さすがにげんなりしてしまいます。嫌なことが重なるさまを、踏んだり蹴ったりという言葉でよく表現しますが、不思議かな、嫌なことって続くのですよね。
自分で防げるものなら、あらかじめ避けたいものですが、特に天災などは急に起きたりするもので防げない場合も多々あります。私は学生の頃、自転車通学をしていた時期があったのですが、ある日、天気予報を見忘れいつも通りに自転車で学校から帰るとき、ゲリラ豪雨に見舞われたことがあります。自転車でゲリラ豪雨は、最悪です。しかも、坂だらけの道で強風も発生。向かい風と嵐のような雨の中、必死で前へと進みました。ちなみに天気予報は見てなかったのに何故か傘を持っていたので、とりあえず自転車を押しながら傘をさすことに。でも、台風のような突風で、傘は一瞬で壊れてしまいました。もはや自転車も傘もただのお荷物です。まさに踏んだり蹴ったりでしたが、まだ登校中ではなく下校中だったのが唯一の救いでした。