当意即妙

【漢字】当意即妙
【読み】とういそくみょう
【意味】素早くその場面に対して機転を利かすこと。
【例文1】洋服が破れてしまったが、彼女が巻いていたストールを当意即妙でアレンジする。
【例文2】生放送の司会者は当意即妙が必要とされる。
【例文3】アドリブが当意即妙だ。

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時代は当意即妙を求めすぎている

当意即妙という四字熟語がありますが、これはなかなか一朝一夕でできる技ではありません。
当意即妙とは、その場その場で物事に合った対応や返答をすることを意味し、当意即妙な意見がいつでも言えるのは、相当の人生の経験者です。
そもそも、その場、その場に合致した最善の方法を、初めから分かっている人など、なかなかお目に掛かったことはありません。
例えば、10代と非常に若いにも関わらず、大人でないと到底理解の出来かねる深い心情を、鍛錬の末に見事に歌い上げる歌手はいます。
しかし、それは、本人の努力に加えて芸術的才能が豊かなのであり、わたしたち凡人が、普段、日常のやりとりの中で、自分の人生経験を超えた当意即妙な対応を実践できるのかと言えば、そのほとんどが無理だと思って大丈夫です。
それでも、昨今は時代の流れが余りにも速く例えば転職、例えば人事異動の際に、その場での経験も未熟であるのに、社会人の経験はあるだろうと言わんばかりに、早々に当意即妙な受け答えを求められる場面に、多くお目に掛かります。
また、テレビではバラエティー用に非常に入念に時間を掛けて練りに練られた台本があるからこそ、ぽんぽんぽんというトークが交わされているのにも関わらず、その大人の舞台裏を知らない若者が、自分の日常生活で、スムーズで且つウィットに富んだ受け答えができないことを恥ずかしく感じたりしているといいます。
それは、無理な芸当なのです。
人生経験と流した冷汗の量が、当意即妙を心得た人物になるために必要な肥やしです。