【漢字】負けるが勝ち 【読み】まけるがかち 【意味】勝ちを譲って一見負けたように思うが、争い事は避けた方が得策である。 【例文1】先に妥協して名声を得、負けるが勝ち。 【例文2】負けるが勝ちでドヤ顔されるのもなんだかなー。 【例文3】頑固者には言うだけ無駄。負けるが勝ち。 負けるが勝ち、これは争わずにいったん相手に勝ちを譲った方が、結果的に自分が有利になって得をするといった意味です。例えば仕事上の会議の場である人と意見が全くあわないで討論になったとします。自分の発言に対していちいち反論して否定してくる普段から虫の好かないやつです。でも会議の時間は限られています。他に決めていかなければならない案件もまだ多く残っています。 そんな時にある程度の道筋が出来ていれば、彼の反論は受け入れて結論へと進めていきます。彼の反論に対して反論できない反論も頭の中にはあるのですがそこはちょっと「負けて」上げて、議論を終わらせます。「負けて」あげるのはもともと気に入らないヤツで少し癪に障りますが、他のメンバーももうこの議論にうんざりして早く次に進んでもらいたい状態です。ここで一歩譲って「負けて」あげても、案件の結論としては満足できるものであればあなたに損はありません。またほかのメンバーの評価も「負け」て一歩引いてあげたあなたの方が高評価になるでしょう。「負けるが勝ち」ですね。でも言い負かす優越感は味合うことが出来ないのが残念ですし、元々気に入らない相手の「勝った」という顔を見るのもしゃくなんで「負けるが勝ちだけどモヤモヤ」って感じですね。 仕事などで変にクレームを入れられたり、気の合わない先輩や上司に理不尽なことで怒られたり、現代のストレス社会で生き延びるにはなかなか精神力が必要だったりします。そしてそんな時、私はよく小さい頃から親に言われてきた「負けるが勝ち」という言葉を思い出します。 争いごとや喧嘩を避けることで、自分にとって有利に物事が運び結果的に勝つことができるというこのことわざ。 これは勝負事にだけではなく、人間関係にこそ当てはまる言葉ではないかと私は思っているのです。 だって、家族でも友人でも同僚でも、ケンカしたり争ったりすることほど疲れることってあるでしょうか? かと言って、自分が悪くないのに謝るなんて、なんだか癪だし悔しいことですよね。 でも、周りを見てください。 例え自分が悪くなくても、相手にすぐに謝って素直に相手の意向に従い、ケンカを引きずらずにすっぱりと終わらせられる人って周りに結構好かれている人だと思うんですよ。 好かれている・人気者とまではいかなくても、おそらく嫌われ者ではないはずです。大きな敵も作っていないはずです。 そう、これこそが人間関係における「本当の勝ち」ではないでしょうか。 自分が納得できないことでも、ある程度のところで折れて相手の意を汲むことで、結果的に人も自分も機嫌よくいられるんですよね。 私も年齢を重ねて、そんな生き方を目指したいと思うようになりました。 大学を卒業して入社した企業はドクター向けの商材を扱う商社でした。私が配属された部署はほぼ女性。ベテランの先輩社員から、1個上の年の近い先輩まで様々な年齢層が集結した女性だらけの職場でした。 仕事柄、お客様はお医者様ばかり。1日に何件も医院を訪問し、各種業務をこなしたり、営業をかけたり、そんな毎日でした。 帰社後先輩社員へ良い成績だった旨を報告をすると、様々な指摘をされます。 それはもう、成績が良ければ良いほど指摘が増えます。 「その柄が入ったストッキングで先生に色仕掛けしたでしょ?」「そのブラウスの透け感で成約したんでしょ?」 もちろん、笑いながらネタのような口調ですが、褒めてもらったことは記憶になく、このような言葉が飛んできます。 そんな時「いえ、そんなことしていません」「なぜそのようなことを言われないといけないのですか」と、真っ向勝負する方もいるでしょうが、 私が取っていた策はただ一つ、「負けること」。 「バレました?」「ちょっとボタンが外れやすいようなブラウスなんです」などなど、先輩からのイビリを完全受け入れ、即負けることで 職場は大きな笑いとなります。 そして先輩からのさらなる返しは「やっぱりね」の一言。 女性だらけの職場でしたが、いじられながらも毎日笑いが絶えず楽しい時間を過ごしてきました。 女性だらけの職場で生き残るコツ、一つ言えるとすると「負けるが勝ち!」です。
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